ラーメンにメンマはいらない。

ラーメンにメンマはいらないと思う。

 

そもそもメンマってなんだ。タケノコだろう。お前はタケノコだろう。

 

「タケノコの加工品」って言え。

 

「タケノコを化学調味料と和えることで生成される加工品」って言え。

 

「タケノコを化学調味料と和えることで生成される、最早タケノコですらない何か。また、そのもの。」って言え。

 

 

ラーメンにメンマって、いらなくないですか?

 

目の前に到着した熱々のラーメン。もうもうと上がる湯気は蜃気楼のようで、これから始まる10分にも満たない時間が至福のものとなることを予期させる、怪しいきらめき。


テラテラと光るその表面には、この世のものとは思えぬほどの美しさを備えた脂が、軽やかにしかし色彩鮮やかに中央に鎮座するネギ、その横にはチャーシューがいつでも主役の座を奪わんと、虎視眈々と目を光らせる。

 

もちろん主役は麺である。助演女優のスープとのダンスはまさに、、筆舌に表し難い。みなまで言うな。

 

それぞれが主役級の大物たちが集い、群雄割拠を呈するドンブリの中で、小者感を隠そうともしない、平身低頭なんとかドンブリの中に滑り込もうと日夜隙を伺う出歯亀、それがメンマである。

 

そもそもメンマってなんだ。タケノコだろう。おめぇ、気取ってっぺ。調子のんながや。

 

 

メンマは邪魔だ。麺を食べようとするときに絡みついてくる。俺は麺が食べたいんだ。「麺」が食べたいんだ!って言ってるのに、「へぇ、すいやせん。自分も名前に『メン』が入ってるもんで。へぇ、すいやせん。」なんて言ってくるものだから、堪忍袋の緒がなんとかやで、ほんま。

 

しかも見た目も麺に寄せて、そっくりときてるもんだからタチが悪い。せめて毒々しい緑色とかだと避けやすいものを、麺そっくりにコスプレしてきてるから、うっかり麺と間違えて食べちゃう。

 

麺が食べたかったのにメンマを食わされたときの気持ちといったら、飲み会でふざけながらも自分のことタイプって言ってくれてた子が、別の飲み会で他の男にもタイプですって言ってたのを見たときのような気持ちである。せつねぇ。

 

ウブな男の気持ちを弄んで、許されると思うな。タイプって言われて、ぬか喜びした男たちのぬかの深さを甘く見るな。メンマ、許すまじ。 

 

そもそもメンマってなんだよ。その名前からしてよくないよ。改名した方がいい。細木数子もそう言うに違いないよ。あんた、死ぬわよ。

 

「麺じゃないくせに、麺かのような顔をしてまとわりついてくるタケノコではない何か」とかにしろ。

そうだよ、略してメンマだよ。わりーか、オチがバレたぐらいでそんなに責められなきゃいけないのか。もういい、グレてやる。コンビニで買い食いしてやる。エルチキ買ってコンビニ前の駐車場で食べてやる、ざまみろ。

 

 

そもそもお前らメンマの名前の由来知ってるのか。

メンマってのは、マチクっていう竹のタケノコなんだぞ。「ラー メン に載ってる マ チクでメンマ」 なんだぞ。

 

なんだそれ。ラーメンありきじゃないか。ラーメン前提の名前じゃないか。

 

 

そうか、、お前、、苦労してるんだな。。

 

いや、俺もそこまで嫌いなわけじゃないよ、メンマ。あったらあったで「お、メンマか」ってなるし。

 

逆になかったときは「今日はメンマ、いなかったな」なんて思ったりするし。

 

なんか、、悪かったな。

 

 

、、うん、、、、うんうん、、、

 

 

、、そうだな、、、うん、、、そう。

 

 

、、、そっか。お前がそう言ってくれると、俺もなんというか、嬉しいよ、ほんと。

 

 

また明日から、一緒に学校行こうな。

 

 

現場からは以上です。