「ヨウジ、サウナ好き辞めたってよ」

風呂が好きだった。銭湯に行くのが好きだった。特にサウナが大好物だった。

そう、だったのである。しかし今日突然思い立って、1人で銭湯に行ってみた。「あ、そういえば最近サウナ行ってないな、久しぶりに行こうかな、おれサウナ大好物だし。」

そう思って行ってみたのだ。好きだったサウナに。

あ、挨拶忘れてた、どうも、ヨウジです。

僕は好きなものから先に食べるタイプなので、銭湯につくなり早速サウナに入る。服脱ぐよりも先である。(そう、嘘である)

露天風呂に入って、少し身体を温め、身体をしっかり洗ってから、内湯に浸かりつつ温泉を楽しみ、満を辞してサウナへ、なんていうまどろっこしいことはしない。

即サウナ。即時サウナ。総員即時サウナ。

最低限身体をサッと流して即サウナ。そしていつもは、「限界までサウナで耐える→水風呂で限界まで耐える→サウナで限界まで耐える→水風呂で限界まで耐える→サウナで限.....」というのを繰り返す。

それも本当に時間が許すまでor飽きるまで繰り返すのだ。おかげでいつも銭湯終わりはヘトヘトである。

しかしそれが楽しかった、それが好きだった、いや、好きだと思っていた。

今日も例に漏れず、銭湯についてすぐにサウナに入った。今日は初めて行く銭湯で、いわゆるチェーンの大きなお風呂やさんのため、サウナも20人ぐらい入れるところだった。

まず気になったのがテレビの音が大きいことだ。

サウナのテレビはギリギリ聞こえるぐらいが丁度いいのだ。そこに来ている人はサウナを楽しみに来ているわけで、テレビを見に来ているわけではないのだから。

しかしそこのお風呂やさんのサウナはテレビの音がでかい。テレビの自己主張が強い。

しかもそこでやっているのが、どうしようもない民放のニュース番組だ。もう本当にどうしようもない。

アメリカ大統領のトランプさんの就任について取り上げているんだけど、本当にもうどうしようもない。

まず前提として、去年の大統領総選挙のとき、たまたまネットニュースでトランプさんについて書かれた面白い記事を読んで、興味を持って結構調べたために、僕は割とその関係の話は詳しくなっていたというのもあるんだけど。

それにしてもひどい。この原稿書いたやつはなにも調べてないんじゃないかってぐらい、表面的なことしか説明しない。

というか、内容的には「トランプさんが大統領になりました、でも反発してデモも起きています。逮捕者も出ました。銀行のガラスが割れています。フランスの極右の人はトランプさんを応援するようです」みたいな。

いやいやいや。だから何?なぜ反発している人がいるの?反発している人たちの主張はなんなの?現在の支持率とか、データとかないの?

そしてそれを補足する役目のはずのコメンテーター(元アナウンサーみたいな、僕が嫌いな人)が、「デモとかが起きて、反発もあるみたいですね〜」って。

いやいやいやいやいや。見たらわかるって。みーんなわかってるって。え、目つぶってた?イヤホンガンガンゲーム中?今スタジオついたばかりなの?なんなの?死ぬの?

巷ではトランプ大統領の就任演説は、中学英語で使うような単語しか出てこなかったと言われているけど、日本のニュース番組も同じようなもんである。

こんなん見てたら確実にバカになる。新しい単語が1つも出てこない。テレビ見てこんなにイライラしたのは久しぶりである。

えーと、興奮して脱線しました。話を戻そう、サウナの話だ。

まずそのテレビでイラッとしたのが1つ。テレビの音がでかくて思考することが出来ない。考え事したいのに番組のポップな電子音が邪魔して来やがる。

だから諦めて集中して見てみると内容がゴミ。しかもCMの間に番組をちょこっと流すスタイルなのかな?ってぐらいCMばっかり。しかも普段テレビ見ないから、今流れてるCMは全部初めて見るもののはずなのに拭えない既視感。全部コピペで作ってんじゃねえのか。

...自分でもなんでこんなにテレビにイライラしているのかわかりませんが、話戻しますね。

とにかくサウナに入って汗かきながらジーッとしているわけです。サウナ入ったことある人はわかると思うんですけど、サウナは辛い。しばらくはいいんですよ、特にこの季節は、あーあったかいなーなんて思いながら少しづつ汗をかいて。

汗をかいている自分を楽しむというか。汗の感覚を真摯に見つめ直すというか。

別にやることがないから、自分と会話するしか無くなって、自分の体と会話して、脳で考え事して。

そんなことやってるうちに時間が立って、「あーきっちゅい!」ってなってサウナを出る。限界まで我慢してサウナを出た時の解放感といったら。

これほどの解放感は類を見ない。あのブラットピットもサウナを出るときには「アーコノカイホウカンタマランワー」って言うとか言わないとか。

そんで身体が火照ってるうちに水風呂。まず頭からザブッと水をかぶります。あの銭湯にある横に取っ手が伸びたすごく水をすくいやすい形のバケツみたいなやつでザブッと。

熱気でフラフラになった頭にザブッと冷水を浴びせる時のあの気持ち良さといったら。これ以上の気持ち良さったらない。

あのジュリアロバーツも「アーサウナノアトデミズアタマカラザブーガタマランワー」が口癖になってるとかいないとか。

とにかくめっちゃ気持ちいい。そんで何度かザブーを楽しんだら、身体の汗を流して水風呂に浸かる。あーちゅべたーい!なんて思いながら浸かる。

サウナで限界まで我慢してるから、確かに冷たいんだけど、そこには奥ゆかしい気持ち良さがある。「あー、冷たーい、冷たいけど気持ちいいー奥ゆかしー」ってなる。サウナの後の水風呂の奥ゆかしい気持ちよさいとをかしって芭蕉も言ってた。

そんでもしばらく浸かってたら寒くなってくる。あ、これやばいかもしないってなる。普通に寒いやつだってなる。

で、そこを我慢すると一旦寒くなくなる。あー別に大丈夫だなーってなる。

そしてそっからまたしばらくすると、身体が震えだす。身体が危険だよって伝えてくる。これ以上この温度の水に浸かってたら危険だよって。

だいたいそこで水風呂から出る。うーさみさみって思いながら出る。

ちなみにそこからさらに我慢していると、また一旦寒くなくなる。というか、身体は寒いんだけど脳は寒いと感じていないような、脳と身体が分離している感覚になる。

そんでその後に肺が痛くなってくる。心なしか心臓も痛くなる。このままいたら死ぬんだろうなってなる。

そんでその後頭が真っ白になる。視界がぼやけてくる。何も考えられなくなって、ブラックアウトしそうになる。

そのときは生命の危険を感じたので、水風呂から出たんですけど、その先に行ったことある人はどうなるか教えてください(そんなやついねーよ)

それか今度僕と一緒に水風呂行って、限界までチャレンジしましょう(行かねーよ)

まあとにかくそんな感じでいつもサウナを楽しんでいるんですけど、今日はちょっと違ったんです。

サウナ入ってるときに、いつも通り「早く出たいなー」って思いながら我慢してたんですけど、あれ?俺なんでこんなつらいこと我慢してやってるんだろ?って思ったわけです。

水風呂も頭から水かぶるのは確かに気持ちいいけど、水風呂入ってるときは基本寒いし、冷たいし何もいいことないな。

サウナなんて最初の2分位があったかいだけで、そのあとはもう汗かいて鬱陶しいし、暑くてたまんねえし。

俺なんでこんなことやってるんだろうって。よく考えたら、サウナ→水風呂が体にいいっていう知識があるからやっているだけで、これ健康に良くないってなったら絶対やらねえなって思ったわけです。

しかも今日は休日のくせに、突然思い立ってサウナに行ったわけですから、別にその日の疲れを落とすわけでもなく、風呂に入る代わりに入るわけでもなく、汗を流すでもなく(いや、サウナでは汗かくんだけどさ)

別に何にも理由ないのに行っちゃったわけで、そう考えると全然楽しくねえなって。これなんなんだろうって思ってしまったわけです。

「今まで好きだと思っていたことを、改めてよく考えてみると実はそんな好きじゃなかった」パターンでした。

もう銭湯好きっていうのやめようと思います。本当にどうもすいませんでした。

その代わり今年はボルダリングサバゲーに挑戦します。

 

現場からは以上です。