かくも恐ろしき合コン物語

自己紹介のときに「関西出身です」というべきか、それとも言わないべきか。

 

「時と場合による」などと、一言で片付けるのは簡単であるが、横浜を代表する『エセ関西人』の僕としては、非常に重要な問題である。生死に関わる問題と言えるであろう。

 

どうも、僕です。ヨウジです。

 

この前、友達に誘われて、合コンというものに行ってきた。そう、あの合コンである。あの若い社会人が血眼になって日夜(主に花金)開催していると言われている夜会である。

 

 

結論を言うと、男子も女子も、僕を誘ってくれたやつ(Rくん)以外は初対面だったのだけれど、みんなすごく良い人ばかりでとても楽しかった。なんというか、ちょっとした社会科見学のような気分であった。

 

せっかくの合コンである。僕は「スイッチオン」で行くつもりであった。やる気満々である。さようなら、人見知りの僕。お前のことは嫌いじゃないけど、今日は連れていけないよ。おうちでお留守番していてくれたまえ。

 

そして、よろしくな、社交的な僕。今日も君の力を借りることになりそうだ、思いっきり騒ごうぜ。

 

そんなこんなで合コンIN。決戦の場は有楽町にある、とある居酒屋である。はっきり言って「ユウラクチョウ」という駅名がRくんからラインで送られてきた時点でめまいがした。ああ、やっちまった。俺はなんてことをしてしまったんだ。完全に思い上がってたんだ、ジーザス、この俺が、、この俺が有楽町で合コンだとっ!?

 

まず有楽町がどこにあるのか全く予想がつかない。東京のどこか、という情報しかわからない。山手線が通ってたか、、いやあれか、よくある「私営地下鉄」ってやつか。そもそも「私営」じゃない地下鉄があるのだろうか、、、いやそんなことはどうでもいい。大事なのは合コンである。

 

当日、僕は震える手で乗り換え案内を検索した。「神様、どうか、、どうか乗り換え2回以内でありますように。。。」

 

検索結果は2回以内。僕の最寄り駅からは品川まで出て、そこから山手線に乗り換えるようにとのこと。

 

「なーんだ。」僕の気持ちは軽くなる。心の雪解けが溶けていくようだ。なんだそうかそうか。品川なんて何度も使ったことのある駅だし、山手線なんて最悪一周すれば乗り過ごしても目的に着くことができるイージーゴーイングな線である。

 

「ふ、、勝ったな」なんて思いながら、電車に乗り、有楽町駅へと向かう。出かける前に、とびっきりのおしゃれをしようと思って部屋を見回したものの、「少なくとも清潔ではある(洗濯済み)」レベルの服しかなく、結果的に普段と全く同じ服で出かけることとなる。

 

乗り換えもバッチリ決まって有楽町に到着。改札を抜け、目的地である店へのMAPをたどる。東京は歩いているだけで楽しい。道ゆく人は、自分をいかにおしゃれに見せれるかで、お互いしのぎを削っているように見える。事実かっこいい、かわいい人ばかりで、すれ違う人を観察しているだけで楽しくなってしまう。

 

しかし今日はそんなことに気を取られている場合じゃない。なんせこれから合コンなのである。「GO-KON」なのだ。こんなことではいけない、集中しろ!集中しろ、外行きの俺!

 

到着したお店は「ほっこり」だか「もっこり」だか、確かそんな店の名前であった。Rくんの名前を告げると席に案内される。

 

ギリギリの到着だったため、他の方はRくん以外は席についていた。事前にRくんから少し遅れるかもと連絡が来ていたので、わかっていたことではあるが、要はそこのメンツとは全員が初対面である。

 

人生2回目ぐらいの合コンが全員初対面スタート。深い、深いぞ!業が深いぞ!

 

しかし自分のパニック状態があらわになる前にRくんが到着。和やかに談笑しつつ、飲み物を頼み、いよいよ「血湧き肉躍る男女のせめぎ合い(合コン)」のスタートである。

 

最初はもちろんと言うことで、自己紹介からスタートする。順番的に自分がオチ(最後)となりそうである。よしよし、、なんて思いながら他の人の自己紹介を聞く。女の子はみんな大学の同期ということで、年もタメで(厳密には俺1個上だけど)、和やかな雰囲気で自己紹介は進行していく。

 

最初に女子が自己紹介し終わり、次に男子〜ということになる。そして男子の一人が、ここぞとばかりに仕掛け始めるのである。スラスラと出身や名前を紹介した後、彼が最後に放った一言に、私は耳を疑った。

 

「趣味はスノボです」

 

 

 

 

 

 

スノボ、、、、だと!?

 

 

 

趣味がスノボ?趣味がスノボ?え、、、趣味がスノボ?

 

 

 

、、、、雪国出身ですか?いや絶対そうだよね、雪国出身なんだ、なるほどなるほど。実家で滑れるんだ、なーるほど。

 

 

 

え、、、出身が、、、雪国じゃ、、、ない、、?

 

 

雪国出身じゃないのに、、、スノボが趣味?

 

 

 

ち!カッコつけやがって。それなら俺は「毎年軽井沢の別荘でテニスするのが息抜き⭐︎」って言ってやろうか。言っていいことと悪いことがあるってもんだ。「たまにヨットを自分で運転するのが、忙しい日々で唯一の息抜きなんだ」って言ってやろうかあ!?

 

なぜこんなに興奮したのか、自分でもわからない。しかし悪夢はこの後やってくる、、

 

なんとそのあとの二人も「趣味がスノボです」と言いだしたのである、、、。

 

いや、お前ら嘘やん。絶対嘘やん。かぶせてるやん。前のやつにかぶせてるやん。もうなんなら最初のやつがいい人に見えてきた。スノボ趣味って絶対嘘やん。

 

そもそも趣味って年に10回はやらないと成立しないと思うんだよね、年3冊しか本読まないやつが「趣味は読書です」って言ってたらしばくでしょ?ど突くでしょ?

 

え?あーそうなんだー、年3冊で、、読書が趣味なんだ、へー。。。。一冊あたり2万円ぐらいする、さぞかし分厚い専門書をお読みなんでしょうなあ!!

 

合コンとは、かくも恐ろしや、、、なんて思っているうちに自分の番。オチの順番だからヨシヨシ、、、なんてさっきは思ってたけど、いつも通りあんまりなに喋れるか考えていない。

 

とりあえず「僕もスノボが趣味です(笑)」っていう泣きたくなるような小ボケで小さい笑いを拾ったあと、うっかり「出身は大阪です」と言ってしまったんです。(冒頭に戻る)

 

いや、言ってしまったというか、言わざるを得ない状態ではあったんですよね。みんな順番に出身の話してましたから。

 

自分は東京にも住んでましたっていうくだりの後で

 

「だから標準語と関西弁のバイリンガルなんですよね(笑)」

 

っていう自分の中では中ボケの類を放っていったんですが、ものの見事にスベりました、ちょっとしたインシデントレベル。事件性あり、先行車に追突、巻き込み事故のようです!

 

そこからなんとなくエンジンかからないまま終わりました。。。

 

本日の教訓

『第一印象が重要ってよくいうけど、合コンでの「スタートスベりダッシュ」は致命傷になりかねないから、自己紹介ボケぐらいはきちんと用意しておくこと』

 

『スノボが趣味っていうやつ許すまじ』

 

現場からは以上です。