読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

自己啓発本を読むことが勉強だと思っている奴

はるかなる日々

衝動買い。それは遥かなる宇宙である。

 

次の予定まで時間が空いたので、なんとなしに立ち寄った本屋。何を買うという目的もなく、たゆたう時間はまさに至福の時間。

 

ふと、平置きの台のところに、友達が今現在読んでいると、のたまっていた本が置いてあった。その友達は、この読書家の僕から見ても読書家であるから、読書家の中の読書家と言えるかもしれない。

 

いや、むしろ読書家の家の中の読書家と言えるかもしれない。

 

そんな読書家の友達が読んでいるとのたまっていた本であるから、やはり少し気になり、手にとった。本屋の良さは何と言ってもこの手に取れるという部分であろう。Amazonにはない、この肌触り感。何ページでも立ち読みできちゃう全能感。本屋好きが世界からいなくならない理由である。

 

その本はどうやら「ベストセラー」の類であり、確かに私が入った本屋(横浜紀伊国屋)でも、目立つ場所に置いてあった。なんなら「ベストセラー」を謳ったポップが置いてあったかもしれない。本屋のポップは非常に大げさに謳ってくるものだ。

 

本のジャンルで言えば、ズバリ「ド・自己啓発」と言えるだろうか。「シルク・ド・自己啓発」といってもいいかもしれない。まさに直球。直球の自己啓発。ど真ん中、ストラーイッ!!

 

そんな男気溢れる硬派な自己啓発本の名前が「GRIT(やり抜く力)~人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける~」である。

 

さあ、どうであろうか。正直どうであろうか。突然であるが、自己啓発本が好きな人っていうのは、巷では成功しないと言われている。理論ばっかりに頼り、本を読んでいる時は「なるほどな〜」ってすごく勉強した気になって、読み終わる頃にはやる気マックス。「よし、俺もそろそろ本気出すか」なんて言いながらスターバックスでカラメルフラペティーノを飲みつつ、新しくLOFTで買ってきたノートの一枚目に「目標設定」なんて書き出して、次に「将来の夢」なんて書いて、さてさて私の将来の夢とは、、って考え出したところで友達からラインが入り、何気なくラインのトークで会話していたら、あれ、もうこんな時間。ちょっと買い物して帰らなきゃいけないんだった、ということでスーパーや薬局とかに寄りつつ家に帰り、自分でご飯を作って食べて、何とはなしにYoutubeを見ながらボケーってしてたら、あ、もうそろそろお風呂に入らなきゃってんで、風呂上がってからもYoutubeで音楽を流しながら髪乾かして歯を磨いたらもう寝る時間。明日の仕事も嫌だなーって思いながらベッドに入る人生を繰り返している人、それが自己啓発本が好きな人である。

 

はっきりいって自分も完全にそっちのタイプであるが、一つだけ上の例と自分が違うのが、僕はLOFTでノートを買わずに、ルーズリーフを買うということである。

 

そんな自己啓発本が大好きな人にとって、GRITという本は逃れることのできない本だということができるだろう。まず「〜力」という最近のキラーワードでグッと引き込まれるだろう。自己啓発本が好きな人たち『以下 JSH(Jikokeihatu ga Sukina Hito)』は、過去に必ず「〜力」という本を読んだことがある。そして必ず「その本の内容は覚えていないが、なんとなく良い本だったはずだ」という認識を持っているのだ。

 

JSHは本の内容など覚えていない。覚えているのは、いかにその本を読んでいる時に「気持ち良くなれたか」である。その本によって何を得たのか、何が学びであったのかなんてどうでもいい。頭に残っているのは、飲み会で使えそうな少しのトリビアと(二卵性双生児は50%だが、一卵性双生児は100%共通する遺伝子を持っている、とかね)読んでいるときに感じた圧倒的な気持ちよさだけである。

 

そもそも世に自己啓発本がはびこっている理由はこれに尽きるだろう。何も読んだ人が等しく読む前より成功を掴んでいるからではない。『読んでいるとき、とっても気持ちい』JSHが自己啓発本を貪るように消費する理由はこれに尽きる。

 

そもそもよっぽどバカじゃなければ自己啓発本なんて10冊も読めば、だいたい言っていることは一緒だという事実に気づくはずだ。自己啓発本のメッセージは非常にわかりやすいもので、その分かりやすい端的なメッセージを、わざわざ本一冊かけてだらだらと説明しているだけなのだ。

 

ここで、自己啓発本をあまり読んだことのない人のために、自己啓発本の類が主に伝えてくるメッセージの要点をまとめておこう。

 

自己啓発本のメッセージ

・夢や目標は持たなくてもいいかもしれないけど、どちらかというと持った方がいい

・頑張った人は頑張ってない人より良い結果を掴むことが多い

・規則正しい生活など、規律のある生活をした方が金持ちになれる可能性は上がる

・人生を楽しまないよりは楽しんだ方がお得

・こんな本を読んでないで早く自分のために勉強した方が良い

 

以上である。

 

以上が一月に何十冊も出版される、自己啓発本の全てだ。だいたい突き詰めればそういうことだ。成功したいのなら、他の人より一生懸命頑張れ。以上である。

 

でもJSHはそんなことお構いなし。結局書いている内容はそこまで重要ではなく、読んでいる時に楽しいかどうかに集約されるのである。まさに娯楽の類。

 

その自己啓発本を読むという行為を、そもそも娯楽と捉えている人はいいのだが、怖いのはそれを勉強と捉えてしまっているやつの存在である。こういうやつ『以下 JYBS(Jikokeihatu Yonde Benkyou Shitemasse)』は厄介である。

 

こういうやつに限って、うっすい自己啓発本を読むのに1週間ぐらいかけていて、こちらが「どうだった?」などと感想を聞こうものなら「どこどこのくだりが一番印象に残っている」なんていっぱしの評論家気取りで喋り出すに違いない。頭をかち割ってやろうか。

 

何が言いたいかというと、自己啓発本なんていうのは、結局のところ「娯楽の類」であるし、「読み終わった後にモチベーションが上がる」なんていうJYBS..じゃなかった、JSHもいるけど、じゃあさ、お前一週間後見てみ?自分で自分の姿、一週間後に見てみ?

 

断言しよう。君は絶対変わっていない。特に、大して、変わっていないことが多い。だから娯楽のつもりで読むならまだしも、これを勉強と思って読まない方が良い。「ハリー・ポッターを頑張って読んだ」って言い出す奴と同類である。ファンタジーを「頑張って読む」とかいってる時点で「これは勉強になっているんだ」という意識があると言えるであろう、オゥマイジーザス。

 

それ勉強になってねえから。あとライトノベルも読んでも勉強にはなんねえから!

 

 

おほん、ちょっと興奮してしまった。今日はこの辺にしておこうと思う。

 

ちなみにGRITを読んだ感想であるが、最高にモチベーション上がってるし、俺ならマジでやれると思うから、明日から超頑張って絶対成功してやるって感じである。

 

現場からは以上です。